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ふるよにの構築とか大会の振り返りとか

ハツミAってどんなキャラ?~戦型から見る信頼入門~

ミコト諸兄の皆様、いかがお過ごしでしょうか?
玄界灘に鍛えらる信頼のミコト、雨炉(うろ)と申します。

さてさて、先日は晩夏の大決闘祭、お疲れ様でした。

大会規模は総勢128人。
勿論、昨今の情勢を鑑みて参加を取り止められた方もいらっしゃるとは思います。
しかし、出場する仲間との検討なども含めると、本当に沢山のプレイヤーが携わった大会だったと言えるのではないでしょうか。
改めて、皆様お疲れ様でした。

そんな中、私は参加者として絆信頼剣を持ち込み、初戦負けから最終は3-2といった形に。
地力不足を感じ悔しい気持ちはあるものの、良い勉強をさせて頂きました。


……とまあ、前置きはほどほどに。
今回は私の持つ信頼(ハツミA)の知見を一旦形にして残しておきたいなーという思いもあり、筆を執ることにしました。
知識、実力ともに不足はありますが、これでも一応シーズン7-1~7-2を通して、信頼を右手に宿し続けてきたミコトです。
信頼の取り得る動き、立ち回りについてだけはちょっとばかり詳しいつもりですので、これから信頼に触ってみようかな?という方の参考になりましたら幸いです。

▲横顔が良いランキング第一位(当社比)

【目次】

1. 信頼(ハツミA)についての寸評


まずはじめに、皆様はハツミAというキャラについて、どのような認識をお持ちでしょうか?
私が対戦相手の方からよく耳にする内容としては、「潜水の選択が難しそう」「イサナ無くなってるし赤札足りなくないですか?」「対応薄くて使いこなせないんですよね」「ミオビキ無いのはちょっと…」などなどエトセトラ、概ねマイナスなものが多いです。

しかしてこの言い様は流石に、信頼のミコトの末席として許す訳にはいきません。
よってこの場を借りて、物申させていただきます。



--はい、悲しいことに全部事実です!!!!!と。



……はい、そうなんです。
悲しいことに(本当に悲しいことに)、歴戦のミコト諸兄が懸念される通り、信頼は単体では相当脆弱な部類に入ります。
潜雷(”隙”が解決されなければ1-7 -/1 対応不可)は勿論強力なカードですし、潜水および水雷球による間合操作で最低限の防御力はあるものの、それだけで勝てるほど甘くないのがパワーカード蔓延る現環境です。

ならばその他の赤札で火力を補えばいいと言いたいところですが、そもそも逆風で返すのがセオリーのハツミ対面。
攻撃札は0/0、2/1、3/1、2/2/2しかありません……。
なんと強酸 3/1をオーラ受けされても、オーラ5で構えた相手のライフを1点しか溶かせないのです。すごいですね。

そしてその上、海嘯とミオビキ航路を海の中に落っことしてきたために一見してリソース剥奪力も失っており、踏んだり蹴ったりとは正にこのこと。
きっとハツミ様ご自身、強酸ぐるぐるeyeで地団駄を踏んでいることでしょう。

……とまあ、散々こき下ろしてそろそろ怒られそうなので掌を返しますが、一番の強みは【味方をサポートすることに真価を発揮する】メガミである、という点だと思っています。
これについては後程たっぷり述べさせていただくとして、ここではまず、ハツミO(櫂)との差違から触れていくこととしましょう。


【櫂と信頼の相違点】

まず、入れ替わっているカードについて確認してみます。

・海嘯 ⇒ 潜雷

・ミオビキ航路 ⇒ ワダナカ航路
・イサナ海域 ⇒ サギリ海域


入れ替わり対象のカードはいずれも強力であり、櫂の中心的なカードと言えるものです。
したがって、信頼は「海嘯が持っていたステップおよびフレア奪取による”防御力”」、「ミオビキが持っていた"継続的なリソース破壊能"」、「イサナが持っていた"火力と機動力"」の3つを失ったことになります。
実は、結構致命的に走攻守の要を失っているんですね。

特にミオビキ航路を失ったことで「ちょっと小突いて逆風にする」という行動の裏目が概ね無くなっており、常に☨生殺与奪の権☨を相手に握られることになります。
したがって、信頼においては「相手のリソースをぐずぐずにして順風火力で叩き伏せる」といった櫂のリーサル手順は、一部の組み合わせを除いて頼ることができません。
結論、櫂の勝ち方と信頼の勝ち方の間には大きな隔たりがあり、全くの別キャラとして扱うことが推奨されます。銃と炎みたいなもん

では、櫂に対する信頼の強みとは何なのか?
個人的な見解ですが、全メガミ中でも随一の”しゃがみ性能”と様々な相方の主張にマッチする"サポート性能"、この二つであると考えます。


【信頼の強みについて】

信頼の”しゃがみ性能”に目を向けると、その大部分を占めるのが他でもない信頼だけのキーワード能力、”潜水”です。
潜水はレンリの偽証のように裏向きに潜水カードを伏せておき、「相手がカードを行使する」もしくは「何もカードを使用されずにターンを返された」ときに表に向けることで、現在間合いおよび達人の間合が±1されるギミックです。

▲相手からも読み易いが、デメリットも薄い偽証のようなモノ

したがって、相手が攻撃を行いたい場合は概ね基本動作を一回余分に行わなければならず(※間合2で潜水前進を選んでいれば、相手の間合2-3の攻撃は外れる)、また先に付与や行動札を使用しないと、間合が狭い攻撃は外れる可能性があります(※先程の例で、離脱してから間合2-3の攻撃を振っても、潜水後退の場合攻撃が外れる)。
そこで、相手側が「次のターンは逆風にしておきたい」と考えるのであれば1~2リソース余分に使用する必要があり、平均的に0.5AP程度の仕事をするギミックと言えるでしょう。

とりわけ、ワダナカ航路については”畏縮”があることでハンドを伏せての基本動作を誘発する側面があり、相手の連撃を1ターン許してもらうことが得意なカードです。
その上で”順風ならオーラ・ライフに(対応不可の)1ダメージ"という効果が強力なため、上手く使用のタイミングを図ることができれば、相手目線では逆風にするために無理をしてでも単発の攻撃を振らなければならない場面が発生します。

そのため、実はミオビキ航路を失いながらも、リソース破壊の性能自体は一定以上の水準にあったりします。
「継続的なリソース破壊」なら櫂ですが、「瞬間的なリソース破壊」については信頼に軍配が上がると言えるでしょう。


そして、忘れてはいけないのがこのカード。

▲コモンズの画像が未更新?のため旧テキスト。7-2では任意で1ドロー+逆風なら手札上限増加のパワーカード

そう、準備万端です。
使いどころは選びますが、3纏い+次ターン手札5枚(+山札枚数調整)は強いです。
シーズン7-1の信頼は序中盤にテンポを取られてしまうと、そのままライフ差を覆せず負け……。という展開が多かったのですが、7-2でこのカードに強化が入ったことで状況が一変しました。

自身のオーラが薄くなりがちなハツミにとって3纏いはもともと優秀であり、しゃがみ札としての性能は十分。
その上イサナが減った分の火力をハンドから絞り出すという筋肉芸荒業が可能になったことで、対面のヤンキー全ツッパを抑止できる点も偉いカードです。
このように、ピンチをチャンスに変えるカタルシスが中毒になる麻薬カードですが、再構成も早まるので注意。適切な対面でのみ入れましょう。


潜雷、準備万端、ワダナカ航路。
汎用性が高く、あらゆる構築に組み込みやすいしゃがみ札が通常札と切札の両方に存在することで、潜水のテキストの難解さに反して想像以上に「無理なくしゃがめ」ます。
「櫂も信頼も何もわからん!」という方は、まず上記3枚と味方の赤札全部突っ込んでみましょう。それでデッキの完成です。


そして、信頼の持つもう一つの強みとして挙げた「相方の主張に合わせた"サポート性能"」について。
これについては、どんな戦い方が出来るのか?をサンプルデッキも交えて紹介していきたいと思います。


2. 信頼(ハツミA)の戦型紹介

さて、寸評では信頼のカード群について、赤札が無いだの対応が薄いだのとマイナスポイントばかり挙げていた気がします。
しかし、これは裏を返せばその分行動札・付与札のデザインに重きが置かれているということです。
そして事実、行動札と付与札に目を向けると、小回りの利くカードがかなり充実しています。

これにより、信頼は味方の主張に合わせてかなり幅の広い構築を取ることができます。
実際、横との組み合わせ次第ですがふるよにというゲームに存在するデッキタイプのほぼ全てを網羅しており、かなり多芸なメガミであるのは間違いありません。

今回はそんな数あるデッキの中から、味方の主張を活かした特徴的なデッキを8選、戦型ごとに紹介していきます。
興味をそそられるデッキがありましたら、ぜひ回してみて頂けると嬉しいです。そして知見を恵んでください


2.1. 間合操作サポート

・潜水+水雷球により間合を振り回し、相方の戦いたい間合に引き摺り込んで一方的に強みを押し付けることを目的としたデッキタイプ。
・潜水、水雷球のいずれも間合変動の前or後を任意で決定できるため、レンジロックおよびクリンチの双方に適正がある。
・前/後いずれにおいてもロックが成立している時点でワダナカ航路や潜雷が打点になりうるため、火力と安定感を両立できる。総じて、信頼の取り得るデッキタイプの中で最も強度の高いもののひとつと言える。

2.1.1. 中遠距離レンジロック(Sample:銃信頼)

前進札、足りてますか?


信頼でレンジロックをする場合の一つの基準として、「相方のカード効果で2つ以上間合を遠ざけることができる」ことがひとつの目安になります。
理由としては大きく二つ。
水雷球は優秀な後退札であるものの、順風では機動力が掻き消えるため、いつでも振れる札ではないこと
②離脱+水雷球+潜水後退で間合2⇒6まで後退できるものの、宿し前進で間に合う範囲であり、いずれ攻撃が捌き切れなくなること

したがって、間合による防御を成立させるためには相方も後退力に優れていることが一つの目安になります。

▲優秀な後退札たち。例外はあるがこの辺りのカードがあると安定する

そして、このような”間合いによる間接防御力”が優れた組み合わせの中で最も火力が高く、カード同士のシナジーがあるのが「銃信頼」です。

【銃信頼の強み】
ヴァーミリオンフィールド、バックステップと優秀な後退札を2枚持っており、高いレンジロック適性を持つ
バックドラフトの畏縮もレンジロックに一役買うことができる。また、バックドラフトと非常に相性が良い強酸(4/2、ライフ受けならフレア⇒ダスト)およびオヨギビ砲火(3/3)を持ち、火力が十分にある
・通常札・切札ともに選択枠が広く、相手に合わせてかなり柔軟な構築を組むことができる。(風走り/空駆けのあるライラにはカラハリ灯台での妨害をしよう、浦波嵐+尸がある刀剣には羅針盤クリゼロから赤札対応不可の連撃で〆よう、等)
・基本的な焦点間合が6~7になるため強酸を振り易く、水流を無理なく構築から抜くことができるため、順風・逆風にかかわらず打点が安定して扱いやすい

【サンプルデッキのゲームプラン】
往路でシュートレバレラピあたりで2~3点。相手に前進から殴られた返しにバクステや水雷球で下がりつつ、潜雷やバクドラ逆風強酸で2~3点。
その後はヴァーミリオンフィールドを吐きながら間合7以遠に閉じこもり、再構成2点+手札を整えて連撃から3~4点取って〆

相手に何もさせず勝つ、銃の理想形を体現したプラン。
銃下手な私にも扱える単純強度の高い2柱で、潜水も凡そ後退のみで問題無いので非常に扱いやすいです。
対応が厚い相手にはマグナムカノンやフルバーストを入れて火力を増強する、もしくはワダナカ航路で対応不可のクロックを刻む等、構築の自由度が本当に高いので、色々試してみていただきたいところ。
ふるよにの王道である近中距離のビートダウンからは外れますが、信頼の強みを遺憾なく発揮できるオススメの組み合わせです。銃櫂で良いは言いっこなしで!

2.1.2. 近距離ソフトクリンチ(Sample:嵐信頼)

達人の間合は!1です!!!


お次は打って変わって、前で戦う信頼です。
主張としては、間合1~2に潜り込んで潜水前進を連打することで潜雷の打点を稼ぎつつ、相手に離脱や後退を強要することでリソース勝負に打ち勝つことを目標とします。
潜水前進により達人の間合が減る(=潜水が公開されてから間合3に戻るためには、後退が必要になる)ことを最も効果的に使用できるデッキであり、相手にカード使用の前に離脱を行わせる形で安定的にAPを吐かせることができます。

一方でハツミの赤札とは絶対的に間合が合っていないため、攻撃は相方に任せることになります。
したがって一定水準以上の強度を保てる組み合わせは限られますが、基本動作、潜水のいずれも愚直に前進を押し続けることで勝ちに近付くため、取っ付きやすいのが特長と言えるでしょう。

サンプルデッキは「嵐信頼」。嵐は高い前進力、大嵐によるテンポ性能、ライフに通りやすい赤札を併せ持ち、かなり強度の高いクリンチを仕掛けることができます。

【嵐信頼の強み】
・風走り、逆風水雷球、嵐の力(風1)の3つの手法で間合1に入ることができ、潜水前進と併せて実質間合0に簡単に潜り込める
・間合1~2で振れる赤札がいずれも優秀であり、ライラの攻撃+潜雷だけで10点プランを組むことができる(相手側は離脱にリソースを吐く必要があること、大嵐によるオーラダメージが痛いことから、想像以上にオーラ受けがしにくい)
・直接的な対応は持たないものの、間合による防御に加え円環輪廻旋と大嵐のライフダメージ減衰が堅く、連撃リーサルに対してはある程度の強度を持つ
・嵐の攻撃はステップに弱い(特に遁術は重い)が、潜水してから赤札を振ることでステップを貫通して攻撃を当てることができる
・クリンチを行う場合、相手側からは順風で返してしゃがむという行動が最適解となる盤面が発生するが、そこに暴風⇒水雷球が機能する(風1 ダスト⇒間合い or 雷1 3/2を状況に合わせて選択できる)

【サンプルデッキのゲームプラン】
序盤は後ろの間合で大嵐、ワダナカ航路(後)、潜雷(後)を取り回して1~2点取りながら風雷ゲージを貯める(雷螺風神爪の圧を出すため、雷4、風1が最初の目標)。
相手が前進してきたらこちらも前進して間合を1~2に詰め、リソースと相談しながら獣爪暴風流転爪を叩きつつ潜水前進を行いテンポを取っていく。ここでさらに1~2点。
あとは大嵐と潜雷を擦りつつ間合1に詰め続け、中盤以降相手がフルリソースの局面で殴ってきたら円環を開けて耐久。再構成2~3点、通常赤札+潜雷で3~4点、雷螺風神爪2~4点で概ね10点リーサル。

かなり流動的で不確定要素が多く見えるリーサル算ではありますが、中距離以遠で強いキャラが多い現環境では近間合での潜雷は割られにくく、ある程度ダメージを計算に入れることができます。
なお、間合1で潜水前進を行った場合、相手がカードを使わずにターンが返ってくると1-7 -/1は外れることに注意。
潜雷については間合2で貼る、もしくは相手が無理して下がってくれればラッキー、くらいに割り切ってしゃがみ札として使うのも有効です。
ワダナカ航路の順風時効果は間合によらず発生するので、こちらは基本的に間合1で使うようにしましょう。

また、今回のサンプルデッキには入れませんでしたが、そのほかにもシナジーが強く味のあるカードがあったりします。
例えば以下のようなデッキ構成も可能。
・風走り⇒水流、雷螺風神爪⇒陣風祭天儀。相手のリソースが底を衝いた任意のタイミングで陣風祭天儀を開けて畏縮させ、順風を貰ってから嵐の力(風1)を利用して嵐の攻撃⇒信頼の攻撃に繋いでリーサルを狙う。流転爪の攻撃後効果のおかげで手札に暴風、水流、水雷球を揃え易いのが偉い。
・風走り⇒羅針盤を採用し、間合5から獣爪を振っていく。ヤツハ(鏡映を崩したい)やホノカ(突撃霊式によるライフゲインを阻止したい)等、出力の高いメガミへのメタとして機能する。暴風(風1)で間合6に下がる動きも味わいがある上、オヨギビ砲火+雷螺風神爪のような火力に寄せた構築も組めるため、より高いリーサル打点が欲しいときはこちら。

▲上手く扱えれば出力が上がる切札。切札の選択の余地が多くて悩ましい

動かしやすさと環境への刺さり具合は銃信頼を凌ぐ部分もある嵐信頼。こちらも是非お試しあれ!

2.2. クロックパーミッション

・信頼の主張である間合操作性能と3/1、-/1によるクロック性能にスポットを当てた構築。素材の味を活かすデッキタイプ。
・従来、毎ターン1~2点を積み重ねていく行為は相手の大型切札に脆弱性を持つが、間合を外せる信頼の強みが弱点を補強できる。
・一方で相手に合わせた繊細なデッキ構築を要求される部分があり、眼前構築難度はやや高め。

2.2.1. -/1クロックレンジウェーブ(Sample:恐怖信頼)

これぞ間合操作の極致


唐突ですが、このデッキ本当に好きなんですよ……。
好き過ぎて勝手に造語を作ってしまいました。
はい、本当に唐突にすみません。ですが、ちょっとまあ語らせてください。

信頼は火力に乏しくその強みは”味方のサポート”にあると評した私ですが、そんな信頼自身も尖った性能と言いますか、自身の主張として持っている要素があります。
それが、前述した間合操作能力とクロック性能です。

特に前者については顕著です。実際のところ、信頼より前進力が高いキャラは数多く居ます。後退力についても、薙や棹は信頼を上回るでしょう。
しかし、前後両方への総合的な移動力という観点で見れば、信頼は最高級の性能を持っています。

そして、その主張を強く押し付けるのであれば、間合を前へ後ろへ振り回して、相手に焦点間合を踏ませないのが理想形です。
そう、寄せては返す波のように……。
はい、これがレンジウェーブという造語の語源です。
海を象徴するハツミ様にもピッタリでとてもお洒落ですね。
ひとつ残念なことを挙げるとすると、波呼び君はデッキに入りません。

……話が逸れ過ぎました、失礼しました。
とはいえ実際問題、前述した通り火力に乏しい信頼だけでは主張を押し通しても10点を取ることができず、ほとんどの組み合わせでは机上論で終わってしまうでしょう。
そこで白羽の矢が立ったのが、同じ方向を向いた主張を持つ恐怖でした。

▲八重桜+風舞台のコンボが潜水と相性が良い。-/1飽和攻撃で差を付けろ!

ということで、サンプルデッキは気合を入れればかなりの悪さができる随一のクロックデッキ、「恐怖信頼」です。

【恐怖信頼の強み】
・梳流し、畏掠め、晴舞台、徒寄ノ八重桜、久遠の花、潜雷、ワダナカ航路と、オーラを無視してライフを取れるカードが非常に多い
・恐怖がクリンチに使える風舞台とレンジロックに使える跳ね兎を兼ね備えており、信頼のカード群と併せて間合を振り回す能力が高い
・畏掠め、詩舞、久遠ノ花といった汎用性の高い対応札があり、最大オーラも厚いことで、信頼の脆弱性である間合を合わされたときの脆さをカバーできる
・オーラを6以上保持していれば強くなる八重桜と攻撃されなければ強くなるワダナカ航路、方針が近い切札2枚と風舞台の相性が抜群に良い(相手のリソースが薄いターンに間合2で風舞台+ワダナカ航路(+潜雷)を貼ることで実質間合が-1となり、対応の薄い相手に対して安定して2~3点を叩き出せる)
・ワダナカ航路の畏縮とトコヨのカードのシナジーが高い(風舞台で間合が戻ってからの畏掠めが集中力0の相手のライフに当たる、無理して相手が後退して攻撃を仕掛けてきた場合、無理なく梳流しを振れる間合になる、等)

【サンプルデッキのゲームプラン】
基本的には最速で徒寄ノ八重桜を開け、風舞台で間合0に潜り込んでから潜水を絡めて-/1をガンガン振っていく形になります。
リーサル算は展開により大きく分岐するため明記はできませんが、-/1で7~8点+再構成2~3点が目指すルートです。
恐傘のゆらりびのような裏択は無いので、扱う際は気合を入れましょう。

カードの入れ替え候補は梳流し⇔強酸、要返し⇔準備万端or跳ね兎or羅針盤常世ノ月⇔久遠ノ花です。

付与札が動きの軸になる都合上ダストを枯らされるとかなり苦しい展開となるため、相手次第でダストを生みやすい強酸を採用しましょう。
また、水雷球が順風/逆風に限らずダストを2つ生むカードであることは意識しておくと良いと思います。
もう1枚の通常札選択枠については、間合4以遠の攻撃札を持たない相手には跳ね兎、旗に対する羅針盤(破棄時効果のダスト⇒1⇒オーラがほんのり美味しい)とメタカードが必要な場合を除き、オーラ回復に使える全力札が安定です。ぶっちゃけ要返しと準備万端は好みですが、本記事では風舞台をリサイクルでき、再構成を遅らせられる要返しをチョイスしました。

そして切札枠について。
久遠ノ花は最強カードですが、フレア要求が増えてワダナカ航路の使いどころの判断が難しくなること、フレアが吐けずにダスト不足を引き起こす懸念があることから、慣れるまでは常世ノ月が安定すると思います。
引きが下振れた際のリカバーとしても使えるため、概ね腐ることは無いです。
また、悠久の雪も強力ですが、こちらも間合2に前進できなくなるため本構築では非推奨。


ちまちまライフを削るほかに勝ち筋が無いため繊細さは否めないものの、総じてカード同士のシナジーが高く、芯の太いコンセプトデッキとしての主張がある2柱です。

2.2.2 3/1クロック+大型切札(Sample:傘信頼)

ゆらりびケア、出来てますか?


続いて、サンプルデッキは傘信頼。
信頼のデッキとしては、かなり有名な方のデッキではないかと思います。

出来ることの幅が広く、その分眼前構築の難度は高いものの、練れば練るだけ応えてくれるスルメデッキです。
例として出来ることを挙げると、
・傘を開いて間合0でのクリンチを仕掛け、ゆらりびの圧を出しながらワダナカ航路やつきさしでクロックを刻む
・傘を開閉してかさまわしによるリソース勝負を仕掛けつつ、はらりゆき、しこみばり、強酸、潜雷でのクロックを刻む
等がありますが、中でもやはり一番有名かつ強力なのは、"躱せないゆらりび”を軸にした羅針盤デッキではないでしょうか。

ということで、ゆらりびを最大限活用できる組み合わせ、傘信頼を紹介します。

【傘信頼の強み】
・傘櫂同様、羅針盤を貼ることでハツミの連撃やユキヒの1/1連打からゆらりびを振れるため、比較的高いリーサルラインを保有する
・事前に潜水前進を行うことで、後ろステップを貫通してたぐりよせやゆらりびを振ることができる
・上記の通り、浦波嵐を持つユリナには羅針盤ゆらりび、ポルチャルトーを持つコルヌには潜水前進ゆらりび、といったように相手に合わせた構築を行うことができ、ゆらりびの当て易さは全メガミ中でも随一を誇る
・通常、間合0~1での潜水前進(特に潜雷)は次のターンの連撃に繋がらない弱い手となることがあるが、ユキヒの場合はゆらりびやつきさしへの繋ぎとなるため、比較的安定択となりやすい
水雷球により間合5への移動が容易であり、しこみび/ねこだまし+かさまわしのコンボを無理なく使用できる

【サンプルデッキのゲームプラン】
今回提案のサンプルデッキは、羅針盤ゆらりびの圧を元に強酸としこみばりをライフに通していき、相手のライフが5点を切った段階でゆらりびでのリーサルを狙いに行く、ある意味欲張りなデッキ構成です。
しこみばり、強酸、潜雷で3点、再構成2点、ゆらりび5点の計10点リーサルが理想の流れ。相手がゆらりびをケアするのであれば羅針盤下でのふりはらい1/1+しこみび/ねこだまし 1/1×2+ふくみばり1/2あたりのユキヒのカード群でライフを取れるため、ちょっと小突いてからオーラ4を保持した相手に対し逆風水雷球+ワダナカ航路(後)でレンジロックを仕掛け、残り1~2点を詰めていきましょう。

なお、組み合わせとしては通常札、切札ともに選択枠が多く、かなり悩ましい組み合わせでもあります。通常札枠10枚欲しい
回避したい単間合攻撃(紅刃やShield Charge等)がある場合は言わずもがな"ひきあし/もぐりこみ"は入ってきますし、ステップ対応を持ち羅針盤が有効でない相手には潜水前進ゆらりびのコストを下げるべく潜雷がデッキに入ってくるでしょう。羅針盤を切る場合、間合5に留まる意味が薄いとしてふりまわし/つきさしが入ってくることもあると思います。
相手に応じて適宜……というと難しく聞こえますが、そこも決闘の醍醐味として楽しんでいきましょう。

また、今回は触れませんでしたが、例えば刀扇のように羅針盤ゆらりび、潜水ゆらりびのいずれにも対応できる(詩舞、浦波嵐 or 久遠の花)相手に対してははらりゆきを含めて3/1を振り続けるデッキも存在します。
一方で、はらりゆきを振る行為は2フレアを失うことを指し、相手にゆらりびケアを切ってよいと喧伝する行為でもあるので、扱う際は慎重に。

2.3. ビートダウンサポート

羅針盤と潜水により相方の対応への脆弱性を補強し、相方の火力の最大限を引き出すデッキタイプ。
・基本的には「間合を合わせて攻撃する」を体現した王道のビートダウンであり、扱い易いのが特徴。
・強化された準備万端を最も強く使える組み合わせでもある

2.3.1 羅針盤+大型切札(Sample:刀信頼)

――逆風ですか?決闘日和ですね!


皆大好き月影落。
3-5 4/4ならもっと強いよね?という脳筋デッキこと刀信頼。

リーサル火力の無い信頼にとって大型切札は喉から手が出る程欲しいカードの一つであり、ユリナの月影落はその筆頭です。
一方で月影落自体はステップ対応に対して脆弱であり、そこを羅針盤の間合増加で補おう、という訳です。

信頼のデッキの中でもかなり素直な部類ですが、羅針盤+大型切札という組み合わせ自体はかなり強く(その他にもゆらりび、阡など)、”単体ならその切札が受かる”という前提を崩すことができます。
例えば月影落が間合3-5になればコルヌのポルチャルトーの上からリーサルを取ることが出来ますし、サイネに対しては間合5で月影落を振ることで、音無砕氷や氷雨細音の果ての果てといった強力な対応カードを無力化することが出来ます。
リーサルライン自体は変わらないものの、リーサルの取りやすさが段違いに跳ね上がる点が強力な組み合わせと言えるでしょう。

【刀信頼の強み】
・月影落を間合3-5(間合5なら攻撃札での対応は不可)にすることで、月影落に強かった一部のメガミにも4/4を当てることが可能になる
・信頼が横に求める”汎用性が高くテンポの取り合いに強い対応札”として浦波嵐が強力
・ワダナカ航路⇒天音揺波の底力のロマン砲6点リーサルが存在する
・浮舟宿を用いた瞬間的レンジロックにも適正があり、終盤の詰め方が以外にも多彩

【サンプルデッキのゲームプラン】
潜雷+斬で3点、再構成2点、リーサルターンの柄打ち、水流いずれかで1点、月影落で4点。
プランとしてはシンプルで、ユリナで8~9点取って最後の一押しをハツミが担う形が主体となるでしょう。
晩夏の大決闘祭で活躍したユリナA2(心)は1巡目にオーラから阿吽を貼って問答を振りに行く動きが強力でしたが、刀信頼でも羅針盤から付与前進することで斬の施行回数を増やすことが出来ます。阿吽問答とは役割が異なるものの、リーサルラインに押し込むまでのクロックはある程度安定的に刻むことが出来るでしょう。

間合が収束したら雑に赤札を振ってテンポを取りつつ、10~12フレアを貯めて浦波嵐始動から月影落でリーサルです。
プレイングのコツとしては、リーサルラインが見えたターンに羅針盤を貼ってしゃがむことで、次ターンに”羅針盤が盤面に残っており、かつハンドは赤札4枚”という状況を狙っていくこと。
この時の1ターンのしゃがみ札として、ワダナカ航路と潜雷は有効に働くことでしょう。

選択枠としては水流⇔水雷球。特にサイネ対面ではハンドを伏せることなく間合5に下がれる逆風水雷球は重要な役割を果たすこともあり、採用の価値があります。
切札は底力や浮舟、オヨギビ砲火等、対面に応じて採用を検討しましょう。
とはいえ基本的にはサンプルデッキの3枚で事足ります。月影落は最強!

2.3.2 芦原式ビートダウン(Sample:信頼剣)

芦原の民になりたいあなたへ


個人的には一番使い倒した2柱。
なんだかんだで半年以上お世話になっていて感慨深いですね。

2柱とも7-2に入ったタイミングで更新が入っており、シーズン7-1とは大きく使用感の変わったデッキでもあります。
シーズン7-1で使用していた構築については以前にも記載しておりますので、以下の記事をご参照ください。

uro-huruyoni.hateblo.jp

さて、シーズン7-2の更新で信頼剣というデッキに加わった最も大きな影響は、準備万端の強化に他なりません。
寸評でも評しましたが、シーズン7-1の信頼はオーラを纏い直す力が弱く、テンポを取ってくる構築に弱いという欠点が色濃くありました。
これはカムヰについても同様であり、タイムリミットがあるキャラにも拘らず纏って時間を稼ぐ、という行為は当然弱いです。

そこで、ライフ受けし得る攻撃は出来るだけライフ受けし、ギリギリの展開に持ち込んでなんとか勝利……といったような、かなりシビアなゲーム展開を強いられることが多くありました。
しかし、準備万端の強化によりある程度の攻撃はオーラ受けし、逆にカムヰの赤札を3枚持ち越してカウンターを狙う動きが可能となり、テンポに弱い問題はある程度解決されることになります。

これにより、(信頼剣に限らずですが)信頼Xの近距離ビート戦略の一つとして、準備万端+赤札5~6枚という頭の悪いデッキが誕生しました。
筋肉を鍛えに鍛えて祭りの準備を行う彼の地の人々に準え、便宜上勝手にこのデッキを☨芦原式☨と呼称します。

さて、そんな芦原式ビートダウンの中で最も強度の高いデッキが「信頼剣」と言えるでしょう。

【信頼剣の強み】
羅針盤および潜水による、紅刃の当て易さの保証がある(遁術、虚偽、そのほかステップ対応への脆弱性の緩和)
羅針盤と棘縫いの存在により、生半可なレンジロックを破壊できる
・剣の札を含む赤札5枚を一気に叩き付けることによる山札1巡の打点が非常に高い
・剣が苦手とする搦め手での禁忌死狙いに対し、信頼がある程度のメタを貼れる(ワダナカ航路、潜雷の1点ダメージによる抜き足破壊、カラハリ灯台による強力な行動札・付与札の妨害/達人の間合い増加によるクリンチ耐性)
・オーラ受けの裏目が大きいため、水流 4-5 2/1がライフに通る札として計算できる
・信頼の対応の薄さを、切り払いと尸である程度補強できる

【サンプルデッキのゲームプラン】
限界まで鍛え上げた肉体でゴリラする、ただそれだけです。
……すさまじく雑な物言いをしましたが、前進して赤札を叩き付けつつ、相手の反撃を受けたら準備万端から再度殴り返す構えを取る。シンプルにこれを繰り返せば、おおよそ勝ちはえてきます。
剣ハーフミラーなど、ダメージを打ち消したい攻撃がある場合は水流 or 四剣乱刃を切り払いに入れ替えましょう。

このタイプの信頼剣を扱う上で最も重要なのは、眼前構築で日和らないことです。

どういうことか?
考えてもみてください。

準備万端から次のターンに揃う手札は、言うまでもなく赤札5枚が最強です。
したがって、潜雷や棘縫いはノイズになることが多く、山札1巡の打点を1~2点下げることがあります。
……ある種の極論かもしれませんが、メタとしての採用理由がない限りは基本的に採用しない方が強いです。今回の大規模では日和って潜雷を入れたことも敗因の一つでした、反省

同様の理由で、こちらからの打点に関与しない切札の"理"なんかもあまり採用すべきではありません。
信頼剣では火力の大部分を剣の禁忌ゲージ上昇に頼るため、切札火力を抑えてしまうと禁忌死が結構近付きます。
対応が薄いのが心配になりますが、純粋な殴り合いでは相当強い部類である信頼剣。
その火力を信じて、攻撃に全ぶっぱしてみましょう!これで意外とやみつきになります。

▲攻撃に使えないが、赤いので入れてもいいよという顔をしている
2.4. 順風ワンショット

・その組み合わせ独自の特殊なシナジーを利用し、1ターンに大きな打点を叩き出してリーサルを狙うデッキタイプ
・デッキの志向上、これまでの構築のような”逆風でも勝てる”構築ではなく、”いかに順風にするか”にも焦点を当てる必要がある
・潜水を使うタイミングや潜水の選択が最も難しい。すなわちプレイングが難しい。
・現状の信頼界隈で最も研究の進んでいないデッキタイプであり、今後の開拓が期待される。

2.4.1 毒選択式ワンショット(Sample:絆信頼)

どっちの毒を、飲みますか?


突然ですが、信頼において最も上振れた状況とは何だと思いますか?

レンジロックが綺麗に決まった状況でしょうか。それとも赤札をハンドに5枚揃え、すべてのカードを叩き付けられる状況でしょうか。

様々な回答があるかと思いますが、個人的な回答としては、手札に水流・水雷球があり、かつ前ターンのワダナカ航路が破られず順風で帰ってきた状況です。
すなわち、櫂の爆発力(に近いもの)を信頼でも発揮できる形が理論値だと考えています。

順風ワンショットデッキは、そんな理想的な状況を作り、ワダナカ航路を含めたハツミの最大火力で殴り切ることを目的としたデッキです。

今回は私が晩夏の大決闘祭に持ち込んだ「絆信頼」をサンプルデッキとして紹介します。

【絆信頼の強み】
・ハツミの間合とチカゲの間合がいずれも4~5で噛み合っており、順風時に非常に高い火力を叩き出すことができる
・チカゲの持つオーラ圧(飛苦無・流転の霞毒)があることで、水流や仕掛け番傘の2/1がライフに通りやすい
・ハツミの脆弱な防御力を補う対応札として、また近間合で相手にしゃがまれた際の移動札として、遁術との相性が非常に良い
羅針盤による間合追加により、毒針が振り易い/当たり易い
羅針盤で残滓の絆毒を振ることができるため、甘えた相手に突然のリーサルを叩き付けることができるジェネリック羅針盤ゆらり
・毒を山に送り込めることによるドロー制限、毒を手札に抱え込むことによるリソース圧迫のため、順風で帰ってきやすくなる
・付与札、行動札で攻撃できるメガミを除き、弛緩毒を吐くことに大きなリスクが伴う(順風が確定するため)

【サンプルデッキのゲームプラン】
序盤は初手ワダナカ航路で1点取りつつ、準備万端でダストを回収し直してゲームスタート(この時、旗や花相手だと逆風であることが多く、ハンドを蓄えられると尚良し)
その後ハンドに揃えた4~5間合の攻撃札で殴りつけ、1~2点を奪います。間合が収束したら致命的な攻撃に対して遁術を構えつつ、毒針を打って相手の動きを阻害していきます。適度にフレアが貯まっていれば滅灯の魂毒まで使って順風を勝ち取り、再度2~3点取ることを狙っていきましょう。
この際、合間合間に準備万端を挟むことができれば、展開が回しやすくなります。

そうして終盤、相手が弛緩毒、滅灯毒を吐けないままターンを返して来たら、残滓の絆毒 4/4を絡めたリーサルを狙います。
一方で残滓の絆毒をケアして弛緩毒を切り、ハンドを減らしてきた場合は順風チャンスです。羅針盤を貼り、ワダナカ航路潜水後退からハンドを揃え、1/1 or 1/-、2/2、2/2、3/2、4/2でリーサルを取りましょう。

ちなみに滅灯の魂毒⇒流転の霞毒が最大打点かつ選択枠ですが、”四季はまた巡り来る”でハンドを伏せることで残滓の絆毒に対抗してくる旗に対しては、毒でハンドを埋めることが安定択になります。
しかし、オーラ回復力や対応に薄い相手には流転の霞毒がかなり有効である場合も多いので、相手次第で選択を変えてみましょう。

このように、相手に順風か残滓によるリーサルの2択を迫ることができるのが絆信頼の立ち回りの強みとなります。
一方で、絆は単体で10点を取れるメガミではないため、信頼にも打点を求められるでしょう。
道中の火力は順風か逆風かに依存するため、相手の捨て札を見、手札切札を予想しながら、”ここで毒を送れば順風で帰ってくる可能性が高い”というタイミングで毒針や魂毒を開けるようにしましょう。
それでも相手のドローが良かったり、見えていない赤札が出てきたりで逆風になった場合は、流転の霞毒の圧を残しながら水流4-5 2/1から振っていきましょう。残りの手札が毒針・飛苦無だった場合に流転の霞毒がライフに通ることを鑑み、多くの場合はライフで受けてくれるはずです。

タイミングの見極めから果てはブラフまで要求されるかなりプレイ難度の高い組み合わせですが、信頼の理論値を叩き出すためのパーツを揃えた稀有な2柱でもあります。
目指せ、信頼マスターへの道!

3. Tips:潜水の扱いについて

最後に……の前に、今更ですが潜水カードの振りどころと前進/後退の選び方を紹介しようと思います。
恐らく、本来ならデッキ紹介の前に書くべき内容かと思います。
しかし、信頼を宿す上での根幹部分の知見のため放出するのが惜しかった……ここは信頼使いの中でも考え方というか宗派が分かれるデリケートな部分のため、あくまで私の考えとして後ろの方に小さく載せておくことにしました。

さて、信頼の持つ潜水カードは通常札の”潜雷”、そして2フレアを支払って使用する切札の”ワダナカ航路”、この2種類です。
この2種類のカードは、「潜水を行う」ところは同じですが、破棄時のメリット効果と、その発動条件の内容が異なります。
端的には、潜雷は「ライフダメージを受けなければ1-7 -/1対応不可」、ワダナカ航路は「順風ならばオーラ・ライフにそれぞれ1ダメージ」です。
つまり、破棄時効果を比較するならば、以下のように整理できるでしょう。

(効果発動条件の厳しさ)  潜雷 < ワダナカ航路
(効果の強力さ)      潜雷 < ワダナカ航路

※ワダナカ航路の破棄時効果は”潜雷のダメージにオーラ+1点”……だけではなく、そもそも順風で帰ってきているという点が見逃せない

この違いにより、そもそもの役割がかなり異なってきます。

▲似ているようで役割が真逆のカード。潜水を制する者が信頼を制す

あくまで個人的な考えにはなりますが、潜雷は「雑に振っても良い、防御用のしゃがみ札」⇔ ワダナカ航路は「振るべきタイミングを選ぶ、攻撃用の正しく"切札"」という認識がしっくり来ます。
順に説明していきましょう。

【潜雷の使いどころ】
潜雷というカードのミソは、逆風であってもライフさえ守れていれば1-7 -/1対応不可が飛ぶ、という点にあります。
したがって、相手側が-/1を許容せずに潜雷を割ろうと試みる場合、ワダナカ航路を割るよりも余分にカードを振らないといけない可能性があります(例えば2/1の札を振り、これが当たったっとして、信頼側がオーラ受けすれば、さらに追撃を仕掛けない限り-/1を受けてしまうことになります)。
そのため、リソースを使って攻撃をするのであれば確実にライフダメージを与えられる手札であることが望ましく、つまり多くの場合2枚以上の赤札を要求されるということです。なおかつ、赤札を振る前に間合判定をするのであれば行動札・付与札をさらに1枚使用する必要があります。

これがどういうことかというと、潜雷を確実に割るという選択を取るためには、平均して2~3枚のカードを使う必要があるということです。
その上基本動作(主に離脱)に集中力を使わされるとなると、これが-/1の回避に見合った代償かというと微妙なところ。-/1を受ける行為は1フレアを貰う行為であることも考慮し、纏いエンドなどでしゃがむことが最適解(に見える)ことは少なくありません。

つまり、「かなり状況が苦しく、1ターンだけしゃがませてほしい」という局面でも、「カードが余っているから適当に使っておくかー」という局面でも、潜雷というカードは「相手の連撃の抑止」or「-/1の打点」のどちらかとして、ある程度のバリューを発揮する訳です。
※ただし、あくまでもAP損を防ぐという観点からの連撃防止でしかないため、相手側にきちんとリーサルがあるターンの抑止力としては焼石に水です。気を付けましょう。

そんなこんなで、道中雑に振れる万能な潜水としての役割を持つのが潜雷です。

【ワダナカ航路の使いどころ】
対してワダナカ航路ですが、まず切札であるために使用にはフレアを消費します。
そのため、どうせ使用するなら可能な限り破棄時効果を解決したい、というのが本音です。

しかし、破棄時効果を解決するということは、ハツミに対して順風をプレゼントするということです。
つまり、相手側から見ても潜雷以上に解決させたくないカードと言えるでしょう。
このことから、ワダナカ航路を開くことは、信頼対面においてお互いに一つのターニングポイントとなり得ることを示唆します。

そして、その上で改めてワダナカ航路の解決条件は「順風であること」。
これはメリットであると同時に、相手目線では一度だけ攻撃を当てれば良い都合上、「潜雷よりも割りやすい」カードであることも表しています。
フレアを消費することまで考えると、ハイリスクハイリターンなカードと言えるかもしれません。

したがって、ワダナカ航路を開けるタイミングは以下のいずれかであるべきです。

①返しのターンに高確率で順風で帰ってくると予想されるタイミング
②返しに逆風にされるとしても、ワダナカを割るためにリソースを割かせ、相手のリソースを奪うことができるタイミング

①については、相手の捨て札から手札を予想し、次のターンに攻撃されることはないと推定できるタイミングを指します。
例えば対面が旗で間合が1、指揮が場に落ちておりハンドが0枚、再構成をするタイミングでもない、といった局面を想像してみてください。
潜水前進を選択すれば桜吹雪を振ろうとしても3離脱が必要な盤面となり、ワダナカ航路の畏縮と併せて桜の翅と桜吹雪を両方引かれなければワダナカ航路が割れない、といった形を取ることができます。
また、②については同じ盤面で、相手がハンドを1枚持っている、と仮定しましょう。これなら、上の例と比較して集中と2伏せで無理矢理3離脱⇒桜吹雪と繋げることも出来るため、ワダナカ航路が割られる可能性もある、と見るべきでしょう。
しかし、桜吹雪を振るためだけに3離脱という選択を取らせたのであれば、逆風になったとてリソース合戦でやや優位に立つことができ、ワダナカ航路を使用した意味も生まれてきます。

ただし、相手のカードの全貌も見えない序中盤に①②の判断をすることは難しい場合も多いです。
そこで、まずもっての目安としてワダナカ航路が振り得となる場面を、少し乱暴に設定します。

「相手の集中が0であり、ハンドが1枚以下であること」

ここを一つの目安とすると良いと思います。集中0のタイミングを狙うことで手札を基本動作に使わせることができ、アドを稼ぎ易いです。
間合の広い一部のメガミ対面を除き、最低限②の役割を果たすことが出来るでしょう。
ぶっちゃけた話、集中1、ハンド2の相手にワダナカ航路を開ける動きは弱いので、1戦の間に2回以上行うとほぼ勝てないと思ってください。

【潜水前進/後退の選び方】
最後に、潜水前進/後退のどちらを選ぶべき?というお話です。
一般的に、潜水には計略や偽証と異なり明確な”安定択”が存在します。

信頼対面をしたことのある方ならお分かりかと思いますが、「まあこっちだろうなあ~」というあの感覚です。
分かりやすいのは、レンジロックなら後退、クリンチなら前進。
すなわち、相手の攻撃の焦点間合から離れる方向に潜水を行うのが安定択です。

これは、潜水を行われた側が潜水前進か後退かを確かめるために行動札・付与札を使用した際に逆の潜水を選んでいた場合、自分から相手の間合に突っ込んでいくことになってしまうためですね。
相手側の安定択が”潜水を確認してから攻撃を行う”である以上、飛んで火にいる夏の虫になるような動きは出来ない、ということです。

ここが潜水という行動の弱いポイントで、どのタイミングで公開させるかについては、相手側に決定権があります。
そのため、基本的には間合0か10のどちらか近い方向に向けて潜水することが多いのですが……これ、ハツミの間合いからも遠ざかる行為なんですよね。
折角ワダナカ航路を開けるタイミングを見計らって上手いこと順風を貰ったのに、水流なんてとても振れる間合じゃない……。そんなジレンマが潜水にはあります。

そして、相手側もそれを分かっているからこそ、こちらが例えば間合1でワダナカ航路を開けたとき、オーラ・ライフの1ダメージは必要経費と飲み込んで順風でしゃがみ返す行動が最適解となり得ます。
しかし、そこで潜水後退を選べていれば――ゲームの展開をひっくり返し得ると思いませんか?


結論、基本的に序中盤は「相手の間合から離れること」と「相手のリソースを奪うこと」を目的に、潜水は安定択を取り続けることが肝要です。
そして、慣れてきたら相手のリソースが少ないここぞという場面、順風で返さざるを得ないという盤面で、「自分から焦点間合に近付く」裏択を取ってみましょう。

そこに、見えなかったリーサルの糸が繋がっているかもしれません。

4. おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
書いているうちにどんどん長くなってしまいましたが、単体での主張は細いながらも、幅広い戦略を持つ信頼の面白さが少しでもお伝えできていれば幸いです。

それでは、皆様の決闘ライフが桜花満開でありますよう。





画像などはふるよにコモンズ(BakaFire,TOKIAME)よりお借りしております。
URL: https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html

経信剣のススメ ~オンライン決闘祭 2022春ノ陣使用構築について~

ミコト諸兄の皆様、はじめまして!
そして、3月のオフライン/オンライン大規模に参加された皆様、大変お疲れ様でした。

HN:雨炉(うろ)と申します。
簡単に自己紹介をしますと、九州の地でふるよにを遊んでいるミコトです。
シーズン6-2から触り始めたスーパー新参者なため、過去の実績などは特にありません。
しかしそんな折、昨日開催されたオンライン決闘祭にて曲がりなりにも準優勝という結果を残せたため、構築記事という形で筆を執ることにしました。

なお、本記事では主に私の使用した3柱について紹介することにします。
(5戦とも中盤の折衝がかなり苦しく、初の大規模という緊張も相俟って対戦の詳細を覚えていないなんて言えない)


さて、今回私が宿した3柱はAシンラAハツミカムヰでした。

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人呼んで経典信頼剣(ライラの切札みたいな語感ですね)

事前検討、本戦の両方で概ね「見たことない生物」扱いされていた3柱であり、実際問題、初見殺しのギミックを多分に組み込んだコンセプトデッキに他なりません。

そういった意味では、本記事の公開により経信剣の情報面での優位性が薄れ、多少なりとも強度が落ちる点についてはご容赦いただければ幸いです。



経信剣を宿すに至った経緯

今回、オンライン大規模に参加するにあたり、準備を始めたのはおおよそ1~2か月程前になります。

まず一人回し、身内との対戦(毎週付き合ってくれたEさんには本当に感謝)から始めた中で、「今期本当に勝ちを狙いにいくなら、剣を宿す以外の選択肢はない」と考えました。
オフラインでの扇書嵐の大躍進などもあり諸説と言われればそうなのですが、私は先述したとおりの新参ミコト。第五拡張以前のキャラの知見や経験値において古参の方々と比べ圧倒的な差があるため、上記のような考えに至っています(特に仮面回りの有利不利が適切に判断できないのは致命的でした)。

そんなこんなで強い剣XYを求めて、熱帯を彷徨い歩くことしばらく……あることに気付きます。

「傘XYのクリンチ、生半可な剣Xじゃ勝てなくね?」

切り払いの無いカムヰがたぐりゆらりをケアし続けることはほぼ不可能と言ってよく、また大きなライフダメージ源である紅刃はもぐりこみで延々ケアされる。
無理に攻めればゆらりび、日和れば禁忌死という黄金パターンが待っていました()
そこで、剣を使う上で最も不利の付きそうな傘絡みのbanに苦心したくなかったため、構築のコンセプトを以下のように決定します。

【クリンチに高い耐性のある剣XY】

結果、単体で傘のゆらりびに対して二重三重のケアを張れる信頼がまずXに入ってきました。
後述しますが、その後の検討で信剣が銃剣や面剣と殴り合えると思えるだけのブレイクスルーがあったためX=信頼は確定。

そして、この時点では銃面剣がトップメタだと考えていたため、銃剣や面剣に勝ちうる、あるいは返されないであろう信頼Yを作る必要性が出てきました。

ここが本当に困りどころでした。ハツミAはカムヰ単体の攻撃に対しては潜水や逆風水雷球による間接防御が成立するものの、銃面剣に対しては脆弱です。
ヒミカならシュート、レバレ。カナヱなら空想、脚本家。潜雷やワダナカによるクロックが望めない以上、打点を取りきるのも禁忌死を狙うのも総じて厳しかったのです。

そうして検討を重ねた結果、Yに入るのはヒミカorシンラしかいない、という結論に達します。
銃信は高い火力とレンジロック性能を誇りつつ、オヨギビ/ワダナカ/レバレのような、カムヰの理に怯えなくてよい切札構成が可能な数少ない銃Xです。
書信は書信棹で有名な通り、レンジロックと森羅判証による安定した立ち回りが可能です。そもそも返されない想定ができるのも優秀。

自分の使う銃剣がとても弱くて信じられなかったので、一旦書信剣を軸に検討を進めます。が、ここで再度問題が発生します。

そう、書剣が傘Xに勝てない問題です。ダメじゃん…。

ということで、大会1週間前になってもYの枠が決まらずとち狂った私は、何を思ったか経典を突っ込むことにしました。
この時点では理論もへったくれもない経典inでした(強いて言えば間合0でも全知経典なら振れるな…くらいの考え)が、何戦か試すうちに信剣Yの枠には経典>書であると感じ、確信に変わったため、この感覚を信じて経信剣を持ち込むことにしました。第六拡張発売後ふるよにに触ってなかったはずの友人とのフリプで果て果てに当たって死んだけど大丈夫か?と思ったのは内緒



デッキ紹介~信剣編~

二人あわせて? < 泥 仕 合 の 申 し 子

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デッキ紹介に移ります。まずは信剣。
今回検討した信剣のデッキは主に以下の2つです。

①高速羅針盤ビート
②中距離阡ビート

信頼と言えばレンジロック!と言いたいのですが、信頼も剣も基本的にカードを表で使いたい都合上、オーラを纏う力が弱いです。
また、カムヰの札が後ろで動くのに適していないため、必然的にビートダウンを軸にすることになります。

ちなみに今大会では5戦中4戦を信剣で戦うことになりましたが、4戦とも①を使用しています。


①高速羅針盤ビート

【確定枠】
通常札:水雷球/羅針盤/潜雷/紅刃/散華刃/血飛沫
切札:オヨギビ砲火

【選択枠】
通常札:水流/強酸/四剣乱刃/血晶乱流
切札:ほか全部!


……選択枠の切札欄が若干ふざけて見えますが、基本的に通常札6枠は確定です。
切札も、山札1巡目に羅針盤を張るダストを生むためのオヨギビ砲火は必須枠。
そのほかの切札は、対剣Xのハーフミラーであれば尸はほぼ必須、相手の相方に合わせて残り1枠をワダナカ、カラハリ、理、阡あたりから選択します。
他方で仮想敵である傘Xに対してはカラハリ、ワダナカでほぼ確定です(カラハリ灯台、ワダナカ航路ともに達人の間合を一つ増やす効果があり、たぐりよせやゆらりびのメタカードとなります)。
オヨギビ/ワダナカ/カラハリという構成はかなり小回りが利くので、カムヰ以外の相手に対し切札を迷った場合はこれを選択すると、山札の引きに大きく左右されず立ち回りが安定します。


さて、この型の強みは、特に対カムヰで多発する序盤の間合いの折衝における安定性です。

①間合5という無理なく踏める間合でオヨギビ⇒羅針盤⇒紅刃⇒散華刃(血飛沫)と撃てるため、先制能力が高い
②潜水と羅針盤の効果により、紅刃のステップ対応への脆弱性を補える
③連撃後に潜雷or逆風水雷球による仕切り直しができるため、返しの連撃にある程度の抵抗ができる

①~③により山札1巡目に3~4点を奪ってからゲームスタートできるため、あらゆるマッチを泥沼の殴り合いに持っていけるのが強みと言えます(実は象徴武器:濁流だった…?)

ちなみに各項目、副次的なメリットが存在するため少し補足します。

羅針盤が赤札対応を止めているため、尸で止まらない連撃が可能。
 また、ハンドを使い切っても羅針盤が付与札として残るため6枚再構成が可能。

羅針盤⇒潜雷(潜水前進)⇒紅刃と振った場合、両ステップ対応でも紅刃が当たる(潜水公開により、前ステップなら実質間合3、後ろステップなら実質間合5となる)。詩舞は許されません。
 2巡目以降も、ひきもぐや魚吊りのような片ステップに対しては潜水紅刃が当たるなど、実は潜水は攻撃方面へのサポート性能が高い。

③潜水後退により、手札伏せでの前進を促す効果は言わずもがな。
 一方、オーラ4にして潜水前進を選ぶと、相手が間合4で振ってきた攻撃に対して潜水前進で間合3を踏む⇒オヨギビ再起、基本行動:前進で間合2に潜り込む⇒達人の間合が1になるため、お相手が間合3で攻撃するためには後退が必要、という状況を作り出せる。
 水雷球はもちろん後ろに下がります。一番オヨギビが再起しやすくて強いのはこれでしょうか。
 

基本的には山札3巡目に連撃を叩き込むことを目標とするため、山札3巡目に羅針盤+紅刃+散華刃or血飛沫+水雷球or潜雷となるよう、ハンド管理を注意して立ち回ります。特に血晶乱流を採用する場合はマリガンで引いてきた札2枚を伏せる流れになるのでシビアな面も。
とはいえ、剣ハーフミラーでの序盤の折衝においては、おそらく最強格であると考えています。

弱みとしては、やはりオーラ保持力が低いこと。
2巡目以降基本的に引いてきたハンドで纏ったり、潜水したりで躱していくプレイングが必要になり、ハンドが中々貯まりません。中盤以降で連撃を振れるタイミングは基本的に一度、多くても二度しかやってこないので、打点を取り切るにはオヨギビが再起していること、相手の尸を吐かせておくこと等が必要となります。

端的に言ってかなりしんどいです。
対剣は覚悟を決めて臨まないとメンタルが死ぬので、もうやりたくないとおもいました。

なお、大会後にいろいろ思い返していたら実はオヨギビ/灯/尸が最強なのでは?という考えに至ったのでどなたか試してみてください()


②中距離阡ビート

①が個人的結論のため使用機会は少なかったですが、主に前進力が高い近距離ビート相手に採用を検討します(古刀、嵐など)。
間合5で攻撃のチャンスをくれなそうな相手に対してはオヨギビ、羅針盤が腐るのが理由。

【確定枠】
通常札:水雷球/水流/潜雷/紅刃/散華刃/血飛沫/四剣乱刃
切札:尸/阡

【選択枠】
通常札:ー
切札:ワダナカ、理

実際のところ①のような強い主張はなく、単純にカムヰのビートにハツミの赤札を合わせた形です。
順風水流が当たれば宇宙、そうでなくてもバニラ2/1は強いのでゴリラできます。月影はライフに当たる前提で動きましょう。



……あれ、こっち書くことない?(終了)



デッキ紹介~経剣編~

経剣の全知は間合0-5の熊介

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続いて経剣。経典のアイデンティティである全知経典というカードの性質上、基本的にはシンラ寄せかカムヰ寄せの二択になります。

経信剣を組む際のコンセプトになった「対傘および対剣の両立」という観点からすると、
ゆらりびライフ受けの返しに間合0からリーサルを狙いに行ける
・尸で止められない
という2つの特徴を持つ全知経典が非常に強く、「反論」がないというデメリットを帳消しにして余りある2柱でした。
経典の採用は大会1週間前に決定したため検討には若干時間が足りなかった背景もあり、今回は一番信頼できた下記のデッキを持ち込むこととしました。

③全知判証両採用計略ビート

【確定枠】
通常札:真言/詭弁/煽動/壮語/使徒/散華刃
切札:全知経典/森羅判証

【選択枠】
通常札:紅刃/血飛沫
切札:尸/阡/理

全知経典を採用する関係上、計略を持つ5枚のカードは必須で採用します。
ただでさえリーサル札としてはピーキーな全知経典、カムヰの札を入れたいばかりに1枚でも削るとそれだけでリーサルラインが2~3点下がる場合があるため、ここは飲み込みましょう。

その上で、以下のようなゲームプランを目指します。

(山札1巡目)
 真言や詭弁を用いてライフを削ります。詭弁の再構成も含めて2~3点を削ります。
 ここで相手に詭弁ケアの後退などでお茶を濁された場合は終盤の打点に苦心する可能性があります。一方でこちらの赤札は少ないため、この時点で森羅判証と
全知経典の両方を使用することを考え、前進ではなく宿し纏い等でリソースを蓄えます。
 なお、経典は基本的に鬼謀のパワーが高いため、神算煽動で避けたい明確なカードが存在する場面でなければ、詭弁を撃った後の計略は鬼謀にします。

(山札2巡目)
 間合3~4に着地したら、散華刃で1点取ります。ステップがない相手なら紅刃も振っていきましょう。(通常札の対応が厚い相手なら、眼前構築の段階で紅刃ではなく血飛沫を採用し、血飛沫⇒散華刃⇒阡の流れも検討します。)
 赤札が少ない上に全力札が2枚あるため立ち回りが窮屈に見えますが、基本的に全力札は伏せて纏いつつ、鬼謀真言でオーラをいじめたり、壮語を積極的に張って相手の連撃を咎めたりしながら盤面を整えていきます(カムヰは鬼謀壮語を受けるとリカバリーが利かないため、実質的に尸のような役目を果たします)。
 そんなこんなで2巡目の山をお互いが引き切る頃には、2回目の再構成も含めて相手のライフはおおよそ4~5点になっているでしょう。
 あとはこの4~5点を、シンラの切札2枚を適切に使って詰めていく流れになります。
 ここから、お相手の山とハンドの枚数、自身のライフを照らし合わせてルートが分岐します。

【A. 全知経典ルート】
相手のハンドが1枚以下であり、こちらの真言/詭弁/使徒/壮語の4枚が少なくとも引き切れているのであれば、全知経典によるリーサルの可能性があります。
相手に対応がなく相手の山が0枚、という理想的な状況でのリーサルラインが概ねオーラ5、ライフ5。
(全知経典でオーラ2点、真言でオーラ2点、使徒でライフ2点、壮語3焦燥でオーラ1点+ライフ2点、詭弁でなにがしかのX/1の赤札を奪ってライフ1点)

相手に対応がある場合や山が残っている場合はその分リーサルが減じますが、実際は前ターンに鬼謀真言を打ったり血飛沫を打ったりで相手のオーラが5でないことも多く、思っている以上に火力は出ます。
また、X/2の攻撃を持っている相手であれば詭弁が刺さるため、山札が残っていても壮語でハンドを捨てさせる⇒詭弁の流れでリーサルを取り得る可能性があることは覚えておきたいところ。

また、リーサルでなくとも壮語には相手の手札を捨てさせる効果があるため、間接的な防御力もあります。
ある程度のライフが残った状態で相手のハンドが1枚になったのであれば、恐れず積極的に振っていきましょう。(そうでもしないとこの札一生レディしない場合もあります)

【B. 森羅判証ルート】
明らかに全知経典が刺さらない、または自身のライフが大きく削られている場合はこちらのルートにシフトします。
単純に2点のライフゲインが偉く、相手の暁が見えている際など、こちらのルートに入らなければならない局面は多いです。

一方、一般的なシンラと異なり、この構築では判証によるクロックでの勝利は狙いません。
というと語弊があるかもしれませんが、基本的に判証の弾となる札が壮語しかないため、取れる打点は1~2点が現実的なところになります。
それでも最後の押し込みという意味合いは強く、3巡目を迎えることで散華刃をもう一度振れる、全知経典を打つチャンスをもう一度作れるといったメリットは大きいです。
最後の1点を取るカードとして神算真言も強力なため、相手のライフと山札をしっかり確認して計略を選択できれば、意外にも安定した押し込みができるかと思います。


以上のように、序盤と終盤でしっかり打点を取れる経典の相棒枠として、中盤に単体で打点を取れる剣はかなり強いなーという印象でした。
個人的には、カムヰの横は禁忌ゲージを使わないリーサル手段を持つキャラ(月影のあるユリナ、星の海のあるヤツハ、赤幕での押し込みがあるカナヱ等)が強いと考えていたため、禁忌14からでもリーサルを狙える経典も十分相性の良い部類に入るのかな、と考えています。

今回は検討し切れませんでしたが、鬼謀真言使徒をはじめオーラを剥ぐ力は書よりも強めにデザインされているため、阡や皆式理解を利用したビートなんかも強いかもしれません。




最後に

あれ、経信は……?となりそうなところ恐縮ですが、今回はここまでです。
実は経信、事前検討・本戦ともにほとんど返ってきておりません。つまり実は全然検討できていないということです
とはいえ基本的には反論が真言になっただけの書信なので、レンジロック気味に動いて詭弁を1~2回当て、終盤に貯まったフレアから森羅判証!潜雷!壮語!ワダナカ!とか言えば大体勝ちます、つよい。


さて、長話になりましたが、ここまで書いて思っていることは一つ。
「所謂マイナーに属するキャラでもそれぞれ採用価値があって、環境に対するメタを張れば上位を狙えるふるよにってゲーム、本当に面白いなあ」ということです。
好きなキャラを使うことと本気で勝ちに行くことが両立できるゲームは数少ないので、これは本当にすごいと思っています。


あとは私個人の話になりますが、今回の決勝は本当に完敗でした。(というか、情報アドのない実力勝負なら全敗だったと思っています。)
ということで、次回の大規模がいつになるのかはわかりませんが、今度はもっと実力をつけてリベンジしたいですね。


さて、使用した3柱を語るだけにしては長文になり恐縮ですが、ここまでご覧いただきありがとうございました。
それでは、皆様の決闘ライフが桜花満開でありますよう。





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