机上論DustBox

ふるよにの構築とか大会の振り返りとか

経信剣のススメ ~オンライン決闘祭 2022春ノ陣使用構築について~

ミコト諸兄の皆様、はじめまして!
そして、3月のオフライン/オンライン大規模に参加された皆様、大変お疲れ様でした。

HN:雨炉(うろ)と申します。
簡単に自己紹介をしますと、九州の地でふるよにを遊んでいるミコトです。
シーズン6-2から触り始めたスーパー新参者なため、過去の実績などは特にありません。
しかしそんな折、昨日開催されたオンライン決闘祭にて曲がりなりにも準優勝という結果を残せたため、構築記事という形で筆を執ることにしました。

なお、本記事では主に私の使用した3柱について紹介することにします。
(5戦とも中盤の折衝がかなり苦しく、初の大規模という緊張も相俟って対戦の詳細を覚えていないなんて言えない)


さて、今回私が宿した3柱はAシンラAハツミカムヰでした。

f:id:URO_HURUYONI:20220327114825p:plainf:id:URO_HURUYONI:20220327114915p:plainf:id:URO_HURUYONI:20220327114900p:plain


人呼んで経典信頼剣(ライラの切札みたいな語感ですね)

事前検討、本戦の両方で概ね「見たことない生物」扱いされていた3柱であり、実際問題、初見殺しのギミックを多分に組み込んだコンセプトデッキに他なりません。

そういった意味では、本記事の公開により経信剣の情報面での優位性が薄れ、多少なりとも強度が落ちる点についてはご容赦いただければ幸いです。



経信剣を宿すに至った経緯

今回、オンライン大規模に参加するにあたり、準備を始めたのはおおよそ1~2か月程前になります。

まず一人回し、身内との対戦(毎週付き合ってくれたEさんには本当に感謝)から始めた中で、「今期本当に勝ちを狙いにいくなら、剣を宿す以外の選択肢はない」と考えました。
オフラインでの扇書嵐の大躍進などもあり諸説と言われればそうなのですが、私は先述したとおりの新参ミコト。第五拡張以前のキャラの知見や経験値において古参の方々と比べ圧倒的な差があるため、上記のような考えに至っています(特に仮面回りの有利不利が適切に判断できないのは致命的でした)。

そんなこんなで強い剣XYを求めて、熱帯を彷徨い歩くことしばらく……あることに気付きます。

「傘XYのクリンチ、生半可な剣Xじゃ勝てなくね?」

切り払いの無いカムヰがたぐりゆらりをケアし続けることはほぼ不可能と言ってよく、また大きなライフダメージ源である紅刃はもぐりこみで延々ケアされる。
無理に攻めればゆらりび、日和れば禁忌死という黄金パターンが待っていました()
そこで、剣を使う上で最も不利の付きそうな傘絡みのbanに苦心したくなかったため、構築のコンセプトを以下のように決定します。

【クリンチに高い耐性のある剣XY】

結果、単体で傘のゆらりびに対して二重三重のケアを張れる信頼がまずXに入ってきました。
後述しますが、その後の検討で信剣が銃剣や面剣と殴り合えると思えるだけのブレイクスルーがあったためX=信頼は確定。

そして、この時点では銃面剣がトップメタだと考えていたため、銃剣や面剣に勝ちうる、あるいは返されないであろう信頼Yを作る必要性が出てきました。

ここが本当に困りどころでした。ハツミAはカムヰ単体の攻撃に対しては潜水や逆風水雷球による間接防御が成立するものの、銃面剣に対しては脆弱です。
ヒミカならシュート、レバレ。カナヱなら空想、脚本家。潜雷やワダナカによるクロックが望めない以上、打点を取りきるのも禁忌死を狙うのも総じて厳しかったのです。

そうして検討を重ねた結果、Yに入るのはヒミカorシンラしかいない、という結論に達します。
銃信は高い火力とレンジロック性能を誇りつつ、オヨギビ/ワダナカ/レバレのような、カムヰの理に怯えなくてよい切札構成が可能な数少ない銃Xです。
書信は書信棹で有名な通り、レンジロックと森羅判証による安定した立ち回りが可能です。そもそも返されない想定ができるのも優秀。

自分の使う銃剣がとても弱くて信じられなかったので、一旦書信剣を軸に検討を進めます。が、ここで再度問題が発生します。

そう、書剣が傘Xに勝てない問題です。ダメじゃん…。

ということで、大会1週間前になってもYの枠が決まらずとち狂った私は、何を思ったか経典を突っ込むことにしました。
この時点では理論もへったくれもない経典inでした(強いて言えば間合0でも全知経典なら振れるな…くらいの考え)が、何戦か試すうちに信剣Yの枠には経典>書であると感じ、確信に変わったため、この感覚を信じて経信剣を持ち込むことにしました。第六拡張発売後ふるよにに触ってなかったはずの友人とのフリプで果て果てに当たって死んだけど大丈夫か?と思ったのは内緒



デッキ紹介~信剣編~

二人あわせて? < 泥 仕 合 の 申 し 子

f:id:URO_HURUYONI:20220327114915p:plainf:id:URO_HURUYONI:20220327114900p:plain



デッキ紹介に移ります。まずは信剣。
今回検討した信剣のデッキは主に以下の2つです。

①高速羅針盤ビート
②中距離阡ビート

信頼と言えばレンジロック!と言いたいのですが、信頼も剣も基本的にカードを表で使いたい都合上、オーラを纏う力が弱いです。
また、カムヰの札が後ろで動くのに適していないため、必然的にビートダウンを軸にすることになります。

ちなみに今大会では5戦中4戦を信剣で戦うことになりましたが、4戦とも①を使用しています。


①高速羅針盤ビート

【確定枠】
通常札:水雷球/羅針盤/潜雷/紅刃/散華刃/血飛沫
切札:オヨギビ砲火

【選択枠】
通常札:水流/強酸/四剣乱刃/血晶乱流
切札:ほか全部!


……選択枠の切札欄が若干ふざけて見えますが、基本的に通常札6枠は確定です。
切札も、山札1巡目に羅針盤を張るダストを生むためのオヨギビ砲火は必須枠。
そのほかの切札は、対剣Xのハーフミラーであれば尸はほぼ必須、相手の相方に合わせて残り1枠をワダナカ、カラハリ、理、阡あたりから選択します。
他方で仮想敵である傘Xに対してはカラハリ、ワダナカでほぼ確定です(カラハリ灯台、ワダナカ航路ともに達人の間合を一つ増やす効果があり、たぐりよせやゆらりびのメタカードとなります)。
オヨギビ/ワダナカ/カラハリという構成はかなり小回りが利くので、カムヰ以外の相手に対し切札を迷った場合はこれを選択すると、山札の引きに大きく左右されず立ち回りが安定します。


さて、この型の強みは、特に対カムヰで多発する序盤の間合いの折衝における安定性です。

①間合5という無理なく踏める間合でオヨギビ⇒羅針盤⇒紅刃⇒散華刃(血飛沫)と撃てるため、先制能力が高い
②潜水と羅針盤の効果により、紅刃のステップ対応への脆弱性を補える
③連撃後に潜雷or逆風水雷球による仕切り直しができるため、返しの連撃にある程度の抵抗ができる

①~③により山札1巡目に3~4点を奪ってからゲームスタートできるため、あらゆるマッチを泥沼の殴り合いに持っていけるのが強みと言えます(実は象徴武器:濁流だった…?)

ちなみに各項目、副次的なメリットが存在するため少し補足します。

羅針盤が赤札対応を止めているため、尸で止まらない連撃が可能。
 また、ハンドを使い切っても羅針盤が付与札として残るため6枚再構成が可能。

羅針盤⇒潜雷(潜水前進)⇒紅刃と振った場合、両ステップ対応でも紅刃が当たる(潜水公開により、前ステップなら実質間合3、後ろステップなら実質間合5となる)。詩舞は許されません。
 2巡目以降も、ひきもぐや魚吊りのような片ステップに対しては潜水紅刃が当たるなど、実は潜水は攻撃方面へのサポート性能が高い。

③潜水後退により、手札伏せでの前進を促す効果は言わずもがな。
 一方、オーラ4にして潜水前進を選ぶと、相手が間合4で振ってきた攻撃に対して潜水前進で間合3を踏む⇒オヨギビ再起、基本行動:前進で間合2に潜り込む⇒達人の間合が1になるため、お相手が間合3で攻撃するためには後退が必要、という状況を作り出せる。
 水雷球はもちろん後ろに下がります。一番オヨギビが再起しやすくて強いのはこれでしょうか。
 

基本的には山札3巡目に連撃を叩き込むことを目標とするため、山札3巡目に羅針盤+紅刃+散華刃or血飛沫+水雷球or潜雷となるよう、ハンド管理を注意して立ち回ります。特に血晶乱流を採用する場合はマリガンで引いてきた札2枚を伏せる流れになるのでシビアな面も。
とはいえ、剣ハーフミラーでの序盤の折衝においては、おそらく最強格であると考えています。

弱みとしては、やはりオーラ保持力が低いこと。
2巡目以降基本的に引いてきたハンドで纏ったり、潜水したりで躱していくプレイングが必要になり、ハンドが中々貯まりません。中盤以降で連撃を振れるタイミングは基本的に一度、多くても二度しかやってこないので、打点を取り切るにはオヨギビが再起していること、相手の尸を吐かせておくこと等が必要となります。

端的に言ってかなりしんどいです。
対剣は覚悟を決めて臨まないとメンタルが死ぬので、もうやりたくないとおもいました。

なお、大会後にいろいろ思い返していたら実はオヨギビ/灯/尸が最強なのでは?という考えに至ったのでどなたか試してみてください()


②中距離阡ビート

①が個人的結論のため使用機会は少なかったですが、主に前進力が高い近距離ビート相手に採用を検討します(古刀、嵐など)。
間合5で攻撃のチャンスをくれなそうな相手に対してはオヨギビ、羅針盤が腐るのが理由。

【確定枠】
通常札:水雷球/水流/潜雷/紅刃/散華刃/血飛沫/四剣乱刃
切札:尸/阡

【選択枠】
通常札:ー
切札:ワダナカ、理

実際のところ①のような強い主張はなく、単純にカムヰのビートにハツミの赤札を合わせた形です。
順風水流が当たれば宇宙、そうでなくてもバニラ2/1は強いのでゴリラできます。月影はライフに当たる前提で動きましょう。



……あれ、こっち書くことない?(終了)



デッキ紹介~経剣編~

経剣の全知は間合0-5の熊介

f:id:URO_HURUYONI:20220327114825p:plainf:id:URO_HURUYONI:20220327114900p:plain



続いて経剣。経典のアイデンティティである全知経典というカードの性質上、基本的にはシンラ寄せかカムヰ寄せの二択になります。

経信剣を組む際のコンセプトになった「対傘および対剣の両立」という観点からすると、
ゆらりびライフ受けの返しに間合0からリーサルを狙いに行ける
・尸で止められない
という2つの特徴を持つ全知経典が非常に強く、「反論」がないというデメリットを帳消しにして余りある2柱でした。
経典の採用は大会1週間前に決定したため検討には若干時間が足りなかった背景もあり、今回は一番信頼できた下記のデッキを持ち込むこととしました。

③全知判証両採用計略ビート

【確定枠】
通常札:真言/詭弁/煽動/壮語/使徒/散華刃
切札:全知経典/森羅判証

【選択枠】
通常札:紅刃/血飛沫
切札:尸/阡/理

全知経典を採用する関係上、計略を持つ5枚のカードは必須で採用します。
ただでさえリーサル札としてはピーキーな全知経典、カムヰの札を入れたいばかりに1枚でも削るとそれだけでリーサルラインが2~3点下がる場合があるため、ここは飲み込みましょう。

その上で、以下のようなゲームプランを目指します。

(山札1巡目)
 真言や詭弁を用いてライフを削ります。詭弁の再構成も含めて2~3点を削ります。
 ここで相手に詭弁ケアの後退などでお茶を濁された場合は終盤の打点に苦心する可能性があります。一方でこちらの赤札は少ないため、この時点で森羅判証と
全知経典の両方を使用することを考え、前進ではなく宿し纏い等でリソースを蓄えます。
 なお、経典は基本的に鬼謀のパワーが高いため、神算煽動で避けたい明確なカードが存在する場面でなければ、詭弁を撃った後の計略は鬼謀にします。

(山札2巡目)
 間合3~4に着地したら、散華刃で1点取ります。ステップがない相手なら紅刃も振っていきましょう。(通常札の対応が厚い相手なら、眼前構築の段階で紅刃ではなく血飛沫を採用し、血飛沫⇒散華刃⇒阡の流れも検討します。)
 赤札が少ない上に全力札が2枚あるため立ち回りが窮屈に見えますが、基本的に全力札は伏せて纏いつつ、鬼謀真言でオーラをいじめたり、壮語を積極的に張って相手の連撃を咎めたりしながら盤面を整えていきます(カムヰは鬼謀壮語を受けるとリカバリーが利かないため、実質的に尸のような役目を果たします)。
 そんなこんなで2巡目の山をお互いが引き切る頃には、2回目の再構成も含めて相手のライフはおおよそ4~5点になっているでしょう。
 あとはこの4~5点を、シンラの切札2枚を適切に使って詰めていく流れになります。
 ここから、お相手の山とハンドの枚数、自身のライフを照らし合わせてルートが分岐します。

【A. 全知経典ルート】
相手のハンドが1枚以下であり、こちらの真言/詭弁/使徒/壮語の4枚が少なくとも引き切れているのであれば、全知経典によるリーサルの可能性があります。
相手に対応がなく相手の山が0枚、という理想的な状況でのリーサルラインが概ねオーラ5、ライフ5。
(全知経典でオーラ2点、真言でオーラ2点、使徒でライフ2点、壮語3焦燥でオーラ1点+ライフ2点、詭弁でなにがしかのX/1の赤札を奪ってライフ1点)

相手に対応がある場合や山が残っている場合はその分リーサルが減じますが、実際は前ターンに鬼謀真言を打ったり血飛沫を打ったりで相手のオーラが5でないことも多く、思っている以上に火力は出ます。
また、X/2の攻撃を持っている相手であれば詭弁が刺さるため、山札が残っていても壮語でハンドを捨てさせる⇒詭弁の流れでリーサルを取り得る可能性があることは覚えておきたいところ。

また、リーサルでなくとも壮語には相手の手札を捨てさせる効果があるため、間接的な防御力もあります。
ある程度のライフが残った状態で相手のハンドが1枚になったのであれば、恐れず積極的に振っていきましょう。(そうでもしないとこの札一生レディしない場合もあります)

【B. 森羅判証ルート】
明らかに全知経典が刺さらない、または自身のライフが大きく削られている場合はこちらのルートにシフトします。
単純に2点のライフゲインが偉く、相手の暁が見えている際など、こちらのルートに入らなければならない局面は多いです。

一方、一般的なシンラと異なり、この構築では判証によるクロックでの勝利は狙いません。
というと語弊があるかもしれませんが、基本的に判証の弾となる札が壮語しかないため、取れる打点は1~2点が現実的なところになります。
それでも最後の押し込みという意味合いは強く、3巡目を迎えることで散華刃をもう一度振れる、全知経典を打つチャンスをもう一度作れるといったメリットは大きいです。
最後の1点を取るカードとして神算真言も強力なため、相手のライフと山札をしっかり確認して計略を選択できれば、意外にも安定した押し込みができるかと思います。


以上のように、序盤と終盤でしっかり打点を取れる経典の相棒枠として、中盤に単体で打点を取れる剣はかなり強いなーという印象でした。
個人的には、カムヰの横は禁忌ゲージを使わないリーサル手段を持つキャラ(月影のあるユリナ、星の海のあるヤツハ、赤幕での押し込みがあるカナヱ等)が強いと考えていたため、禁忌14からでもリーサルを狙える経典も十分相性の良い部類に入るのかな、と考えています。

今回は検討し切れませんでしたが、鬼謀真言使徒をはじめオーラを剥ぐ力は書よりも強めにデザインされているため、阡や皆式理解を利用したビートなんかも強いかもしれません。




最後に

あれ、経信は……?となりそうなところ恐縮ですが、今回はここまでです。
実は経信、事前検討・本戦ともにほとんど返ってきておりません。つまり実は全然検討できていないということです
とはいえ基本的には反論が真言になっただけの書信なので、レンジロック気味に動いて詭弁を1~2回当て、終盤に貯まったフレアから森羅判証!潜雷!壮語!ワダナカ!とか言えば大体勝ちます、つよい。


さて、長話になりましたが、ここまで書いて思っていることは一つ。
「所謂マイナーに属するキャラでもそれぞれ採用価値があって、環境に対するメタを張れば上位を狙えるふるよにってゲーム、本当に面白いなあ」ということです。
好きなキャラを使うことと本気で勝ちに行くことが両立できるゲームは数少ないので、これは本当にすごいと思っています。


あとは私個人の話になりますが、今回の決勝は本当に完敗でした。(というか、情報アドのない実力勝負なら全敗だったと思っています。)
ということで、次回の大規模がいつになるのかはわかりませんが、今度はもっと実力をつけてリベンジしたいですね。


さて、使用した3柱を語るだけにしては長文になり恐縮ですが、ここまでご覧いただきありがとうございました。
それでは、皆様の決闘ライフが桜花満開でありますよう。





※画像は【新幕 桜降る代に決闘を 公式ページ SNS用アイコン】のものをお借りしております。
 URL:https://main-bakafire.ssl-lolipop.jp/furuyoni/na/rule.html